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狂犬病とはどんな病気ですか?

狂犬病(rabies)は、罹患動物による咬傷の部位から、唾液に含まれる狂犬病ウイルスが侵入し、ヒトへ感染します。潜伏期は平均30日(2週間〜1、2年)です。狂犬病ウイルスを保有する犬、猫を始めコウモリ、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ジャッカルなどの野生動物にかまれて発症する人獣共通感染症です。アジア、アフリカ、中南米では犬、アフリカではイエローマングースが感染源となっています。ウイルスは世界中に分布しております。発症すると100%の致死率です。

世界保健機関(WHO)によると、狂犬病による死者は、全世界にまたがっております。毎年35,000〜50,000人が世界中で死亡しておりますが、アジア地域が33,075人(1998年)と突出しております。特に、中国の死亡者は1300人(2003年)と急増し、ネパールでも150〜200人が死亡しております。

前駆期(2〜10日間)はかぜに似た症状、咬まれた部位にかゆみ、疼痛、頭痛、熱感などの異常感覚がみられます。狂犬病ウイルスは、末梢神経、脊髄、脳まで侵入し増殖します。急性期には、見当識障害、不安感、恐水症状、興奮性、麻痺、けいれん、精神錯乱などの神経症状が現れ、2〜7日後に昏睡期に至り、呼吸障害により死亡します。

脳脊髄液や血液から抗ウイルス抗体を検出します。蛍光抗体法でウイルス抗原を検出します。皮膚や角膜より抗ウイルス抗体を検出します。

日本では1957年に根絶しましたが、近年のペットブームで犬の輸入(日本の犬の輸入は増加傾向にあり、2003年だけで約17,000頭)が増加しているため、農水省はウイルス侵入を水際で防御する検疫強化を急いでいます。輸入犬には予防接種を義務付けております。日本では、犬に予防注射をしているのは50%にしかすぎません。

発病後の有効な治療法はありません。罹患動物に咬まれた場合は、ワクチン接種および抗ウイルス抗体を投与して発症を阻止します。