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胃がん治療のすべて

●胃がん内視鏡治療は直径2cmまで
・胃がんが粘膜にとどまり、直径2cmまでの早期がんは内視鏡下粘膜切除術を行います。
・2cmを超えるとがんの取り残しの危険性が高いので、ガイドラインで2cmと決まっています。
・臨床研究中という形で、ITナイフなどの粘膜切開剥離法を行っていす施設もあります。
・ITナイフの弱点は出血と穿孔(孔があくこと)という合併症が起きやすい点です。
・医師の技量の高さが求められるほか、インフォームド・コンセントが大事になります。

●体にやさしい腹腔鏡下手術
・92年3月、胃がんの手術を慶大が初めて行います。1994年には他大学で胃全摘が行われます。
・胃の部分的切除の場合は、腹部に4ヶ所の孔を開けて行うのが基本です。
・腹腔鏡下手術は早期がんが対象。王さんはIbでした。粘膜下層までで、近くのリンパ節にのみ転移があったケースです。
・胃を全摘すると、動悸、めまいといった不快症状が出ます。幽門を残すと、この症状は軽減できます。

●胃がんのセンチネルリンパ節生検
・かつては、取らなくても良いリンパ節をバンバン切除していました。
・慶大を中心に、胃にもセンチネルリンパ節生検を導入。これにより手術は縮小化します。
・見張り番のセンチネルリンパ節を取って、そこにがんが転移していなかったら、それ以上のリンパ節切除は行いません。アイソトープを使ってセンチネルを知ります。
・リンパ節を取らないと、より体にやさしい手術となります。

●胃がんのセンチネルリンパ節生検と腹腔鏡下手術
・腹腔鏡下手術の2つの流れ。
1.開腹手術と同じ質の高い手術を行う。
2.胃の機能温存のために、胃切除を少なくしていこう。1ではリンパ節郭清も行っている
・慶応義塾大学病院を中心に他施設でセンチネルリンパ節(SN)生検を行っている
・見張りのリンパ節をとって、そこにがんが転移していないと、それ以上のリンパ節を郭清しない
・確認に色素とアイソトープが使われ、ガンマプロープで探すと音がする

●スキルス胃がんだけは拡大手術
・開腹手術は腹腔鏡下手術の頑張りで、どんどん守備範囲が狭くなっています。
・縮小手術、標準的胃切除術などが行われても、拡大手術になることがあります。
・スキルス胃がんだけは拡大手術。胃がん患者の20人に1人がスキルスです。
・拡大手術は左上腹内臓全摘手術。日本のNo.1で、スキルスU〜V期で5年生存率が45%です。
・胃、横行結腸、脾臓、左副腎、胆のう、膵臓の体・尾部を切除します。

●胃がん治療のガイドライン(標準治療)
・内視鏡的粘膜切除術(直径2cm以内の粘膜内がん)口から内視鏡を入れて治療する
・縮小手術(粘膜内がんと粘膜下層がんでもリンパ節転移がない)腹腔鏡下手術、開腹部が小さい縮小手術
・標準的胃切除術(縮小にならないケースから漿膜がんまで)胃を3分の2以上切除、リンパ節D2まで郭清
・拡大手術(胃壁の深達度が浅くてもリンパ節転移が大動脈周囲まで行くと拡大手術に
・胃がん5年生存率。I期(94.8%)、II期(78.0%)、III期(44.1%)、IV期(9.7%)

●胃がんとITナイフ
・1983年に内視鏡的粘膜的粘膜切除術が登場。早期がんだ発見されるケースが70%と増加
・粘膜下に整理食塩水を入れ、ループ状のワイヤでがん病巣を焼き切るのが内視鏡的粘膜切除術
・直径2センチを超えたリンパ節転移のない粘膜がんにITナイフなどの粘膜剥離法が2003年以降広がった
・がん病巣にヒアルロン酸を入れて切除範囲を決める。針状ナイフで孔をあけてITナイフで剥離してゆく
・ITナイフの弱点・・・出血と穿孔。充分に納得の上、技術の高い医師の治療を受ける

●胃がんの化学治療
・胃がん治療での化学療法は「進行・再発胃がん」に行われる
・生存期間の中央値9〜12ヶ月(抗がん剤使わないと中央値3〜4ヵ月後)。外国報告
・日本では(5FU系経口薬+マイトマイシン)A.中央値168日、(5FU使用)B199日。(5FU+シスプラチン)C204日。
・最近はTS−1という5−FU系の抗がん剤では生存期間の中央値、356日超。評価されるようになってきた

●スキルス胃がん
@スキルス胃がんだけは拡大手術
・4型胃がんといわれるがんの多くがスキルス胃がん。硬いという言葉通り胃全体が硬く、内腔が狭くなる
・小説「白い巨塔」の財前教授が患ったがんとして有名。胃がん患者の15人に1人程度。
・拡大手術・・・胃、横行結腸、脾臓、左副腎、胆のう、膵臓の体・尾部を切除する「左上腹内臓全摘術」予定して行う拡大手術は治療を目指して行われる
・拡大手術とQOL・・・手術後のQOLを考えて手前でやめると取り除しがでる。がQOLは良い。化学療法の力がもっとあると、QOLがもっと考えられるのだ